映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』ネタバレ感想&解説!最後は観たくなかった…
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周囲の人間には隠していたんです。

だってイメージってものがあるじゃないですか。

「頭の悪い娯楽大作は好まず、監督で映画を選ぶツウな男」

そんなパブリックイメージでいたいなと。

「あの人は他の幼稚な男とは違うわ、キャーキャー」

みたいな感じね。

大人の教養ある男な感じね。

「LEON」とか読んで白パンツ履いてサングラスとかまでかけちゃう日本人な感じね。

足短いし、目と眉毛離れてるけどやっちゃう感じね。

 

軽く脱線しましたが、本当に映画の好みについていうと、周りはそう思ってるはずなんです。

だから今更言い出しにくい…

 

 

でも本当は僕大好きなんすよ!すごく。

特にアイアンマンが。

そしてソーが。

あとガーディアンズ

そしてキャプテン・アメリカとアイアンマン、ソーたちの関係性みたいなのが。

完全に腐女子みたいなこと言ってますが、本当に好きなんですけど「映画館で必ず観る!!」みたいな程、熱狂的ではなかったんです。

でもね、公開が近づくに連れてなんか妙にソワソワしてしょうがなかったんですよ。

アベンジャーズ/エンドゲーム』が。

だって『アイアンマン』(2008)から続くいわゆるBIG3=アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーの物語はこれで終結、ロバート・ダウニー・Jr.、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワースあたりはこれで降板みたいな噂が出ているんですから。

楽しみとかではない、その日が来るのが嫌だというドキドキまであったかもしれません。

そんな自分が気持ち悪い。

 

アメコミのヒーロー映画ってテレビとかでやってたら観る程度だったし、サム・ライミ版『スパイダーマン』(2003)なんて本当にフルCGのキャラって動き全開で全くついていけなかったんですよ。
え、こんなに時代進んでんのにこんなペラッペラの紙人間でいいの?って。

でも何のきっかけで観たのか忘れましたが、くそつまらなそうなB級映画丸出しだった『アイアンマン』に僕の魂はすっかり奪われてしまいました。
『スパイダーマン』と同じくCGであろうアイアンマンは元々機械ということもあって動きに違和感もなく、なによりトニー・スタークを演じたロバート・ダウニー・Jr.が本当に魅力的でした。
ひねくれた天才の光と影みたいなものがすごく伝わってくるんですよ。
アイアンマンが活躍するところももちろん興奮させてくれるんですが、それよりその正体である生身の人間時のドラマにこんなに魅力を感じる作品てこういう娯楽作にはなかったと思います。

でもそこから『アベンジャーズ』くらいでしょうか、劇場行ったのは。

『アイアンマン』の2も3も家で観たし、ソーもキャラクターは大好きだけど映画単体だとそんな面白くないなあって印象。

そんなにわかファンだったのに…

大興奮だった『アベンジャーズ』1作目のようにアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーが協力して戦う姿が観れないと思うと妙に切なくなってしまいまして…

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』の続きが気になって早く観たいとかじゃなく、どうせロバート・ダウニー・Jr.時代が終わってしまうなら、早く観て早くこの鬱気味な気持ちを整理したい…
そんな「マジでどうにかしてるぞ、おまえ」って自分に言いたくなる心の内でした。

ってことで『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日に日付が変わってすぐ、0時台から上映があるということで、ユナイテッドシネマとしまえんの予約が始まる24日0時にパソコンの前に構え、頑張ってみたんです。

まあ正直隣に人がいるパンパンの状態の上映ってそんな好きじゃない、いや嫌いなんで、世間のほとぼりが冷めたあたりでガラガラのレイトショーが環境的には最高だなあと思っていたんです。
あと『スター・ウォーズ』シリーズ公開の時みたいに、「僕たちファンが一体となってその場を盛り上げて楽しもうぜ!」みたいな騒ぎたいだけのアホ丸出しな頭ワルワル君たちの一員にされそうな気がして、行きたくない気持ちもけっこう強い…

だから取れなくてもいいやと。

ちょっとやってみようと。

ほんと、うん、とりあえずサイト行ってみようと。

 

 

 

完全にムキになってしまいました。

サイト繋がらないし、せっかく真ん中のちょっと前の方のIMAX 3Dを堪能できるいい席を選択した状態で券種選択画面に行けたのに、エラーが起きてまた1からやり直し。

 

ふざけるなよ

席クリックできた時点で15分くらい仮押さえできるだろ、いつもなら。

清々しいくらいに一瞬で席が埋まってくれたらむしろすぐ諦めがついたのに。

僕と同じ状態の人がたくさんいるから、意外と席が埋まっていかないんです。

もはやこの時、『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観たいなんて気持ちはどこにもありませんでした。

あるのはこのミッションを成功させてやるという気持ちだけ。

ブロッケンJr.状態です。

ゆでたまご『キン肉マン』より引用

……

格闘すること20分。

エラーと再読込を繰り返し、なんとか席確保!

す、すごい達成感だぜ

もう満足です。

しかも僕の好きなやや前の方の真ん中近く。

やってやったぜ

ハアハア

しかもIMAX 3Dだぜ

……

映画行かなきゃいけなくなっちまった

 

熱狂的なファンが押し寄せてくることを想像すると全然行きたくねー

そして終わった後拍手とかしだす奴いたら、もう穴に入って脱出したいわ

 

なんて思ってたんですけど、頑張って行ってきました。

もちろんすげー人は多かったですが、としまえんという土地柄もあってか思ったよりみなさん冷静な様子。

ホッとしました。

そして安堵しながら、ついにその時を迎えたのでした。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』とは???

作品データ
原題 Avengers: Endgame
製作年 2019年
製作国 アメリカ
配給 ディズニー
上映時間 182分
上映方式 2D/3D

スタッフ
監督
アンソニー・ルッソ
ジョー・ルッソ
製作
ケビン・ファイギ
製作総指揮
ルイス・デスポジート
ビクトリア・アロンソ
マイケル・グリロ
トリン・トラン
ジョン・ファブロー
ジェームズ・ガン
スタン・リー
脚本
クリストファー・マルクス
スティーブン・マクフィーリー
撮影
トレント・オパロック
美術
チャールズ・ウッド
衣装
ジュディアナ・マコフスキー
編集
ジェフリー・フォード
マシュー・シュミット
音楽
アラン・シルベストリ

キャスト
ロバート・ダウニー・Jr. トニー・スターク/アイアンマン
クリス・エバンス スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ
マーク・ラファロ ブルース・バナー/ハルク
クリス・ヘムズワース ソー
スカーレット・ヨハンソン ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ
ジェレミー・レナー クリント・バートン/ホークアイ
ドン・チードル ジェームズ・ローズ/ウォーマシン
ポール・ラッド スコット・ラング/アントマン
ブリー・ラーソン キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル
カレン・ギラン ネビュラ
ダナイ・グリラ オコエ
ベネディクト・ウォン ウォン
ジョン・ファブロー ハッピー・ホーガン
ブラッドリー・クーパー ロケット(声)
グウィネス・パルトロウ ペッパー・ポッツ
ジョシュ・ブローリン サノス
真田広之

解説
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクといったマーベルコミックが生んだヒーローたちが同一の世界観で活躍する「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の中核となるシリーズで、各ヒーロー映画の登場人物たちが豪華共演するメガヒット作「アベンジャーズ」の第4作。前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」で、宇宙最強の敵サノスに立ち向かうも、ヒーローたちを含めた全人類の半分を一瞬で消し去られてしまうという敗北を喫したアベンジャーズが、残されたメンバーたちで再結集し、サノスを倒して世界や仲間を救うため、史上最大の戦いに挑む姿を描く。「インフィニティ・ウォー」では姿を見せなかったホークアイ、アントマンといったヒーローも登場し、新たにキャプテン・マーベルも参戦。監督は前作に引き続き、アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が務めた。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレなし見どころ紹介

まあこれを読んでいる時点で、マーベル・シネマティック・ユニバースを一作も観たことない人はいないでしょうけど、多分ほぼ全部観てないと楽しめない作品です。
もはや数えるのも面倒ですが、10年で約20作品ですか。
すごいですね、これから全部見るとすると。

彼氏「ねえ、これ一緒に行こうよ」
彼女「え、これ続編物なんでしょ?私何も観たことないよ」
彼氏「大丈夫だよ、俺も復習がてら全部観たいと思ってたから、一緒に観よう!」
彼女「え!ほんと!うれしー、好きー」

みいたなやり取りしても永遠に一緒に観ることないでしょう。
そんな歴史の深さを感じますねえ。

僕も絶対各キャラクター紹介とかしたくないですもん。

多すぎです。

単独作作られるキャラクターの他にもそれに付随するヒーローたちが派生しているので尋常じゃない数です。

そんな10年の集大成、完結編です。
多分まだ登場して間もないキャラクターたち『スパイダーマン』、『ブラックパンサー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』とかは続くんでしょうけど、『アイアンマン』、『キャプテン・アメリカ』、『マイティ・ソー』は完結すると噂されているので、とにかくこの3人のキャラクターがどんな有終の美を飾るのか、それに尽きますね。

以下結末を想像できるネタバレ全開で書いてます。

 

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(ネタバレ全開です)

まずはうんこ度(このサイトではどのくらいつまらなかったかで評価しています。10.0=クソ映画)

4.0/ 10  トニィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーて映画

もうこれだけです。

この記述だけでネタバレ全開な感想ですがとにかく辛い…

あー悲しい…

ズーンです。

アイアンマンの最期、トニーの旅の終わり…

僕にとってアベンジャーズというかマーベル・シネマティック・ユニバースてアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーが総てだったので、かなり不満が残る映画でした。
もはや1本の映画としての完成度云々じゃなく、とにかくロバート・ダウニー・Jr.演じるトニー・スタークをもっと観ていたかったんです。
言い換えるとロバート・ダウニー・Jr.、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワースが出ていてさえくれれば、映画がクソみたいな出来でも許せた、そんな気さえするんです。

終わりはいつか訪れるし、そろそろ完結しといた方が物語的にも俳優的にもいいのはわかります。
だからこそ、今後のマーベルがコケた時に帰ってきてくれる希望が残る終わりが良かったんです。

……。

まあでも冷静に考えると映画的にはあのトニーの終わりは良かったのかもしれません。

トニーは自分には人には真似できない、知能、財力があることを自覚し、それを世界の人々のために捧げようと努力しますが、同時に自分のせいで人々が傷つく現実も目の当たりにし、ヒーローとしての立ち位置に苦悩します。
1番尊敬できる友でもあるキャプテン・アメリカと対立してまでも、世界のためを考え自分の信じた道を突き進んだトニーが、その自分に与えられていた運命、役割を理解し、最後の指パッチンをするところは涙モノでした。

…指パッチンて

『インフィニティ・ウォー』でドクター・ストレンジがストーンをサノスに渡すという不可解な行動をとった時から、どこかでトニーはその役目を理解していたのだろうなあと思います。
いや、むしろそれは『アイアンマン』1作目でテロ組織の洞窟から抜け出し、生き方を変えたときから分かっていたのかもしれないと思わせる人間としての深さをロバート・ダウニー・Jr.からは感じます。
宇宙最大の危機を自らの命で救ったトニーは幸せだったのかもしれません。

……

なんて思うか、バーカ。

くそー葬式までしやがって!!

これじゃあもう2度と登場する希望がないじゃねーかよ!!!

子供だしときゃとりあえずなんとかなると思ったか!

すぐ継がせようとしやがって。

量子化タイムワープでも起きてしまったことは過去に行っても変えられないって言ってし、それって亡くなった人を生き返らせることはできないってことじゃねーか。

終わった

俺のマーベル・シネマティック・ユニバース…

もう観ることはないでしょう

さらば、俺のマーベル。

あ、ガーディアンズは観ます。

 

キャプテン・アメリカの最期とスティーブの夢見た未来

キャプテン・アメリカのシリーズ勇退もすごく悲しいです。

はじめはこいついらねーなと思ってたんですよ。

だって明らかに弱いじゃないですか。

クリス・エヴァンスはかっこいいけど、キャプテン・アメリカって…

コスチュームもだせーし。

でも二十代も後半になった辺りでようやく分かってきましたね、アイアンマンや雷神ソーという超人だらけの中でほぼ生身のかっこよさ。
ナターシャやバートンはサポートキャラ的な立ち位置なんで、あのほぼ生身で敵のボスと渡りあう姿は熱くなります。

「キン肉マン」でいうテリーマンですよ。
みんな鎧やら爪やら何かしらの派手な外見的、能力的特徴がある中1人

モロ人間

外見はただの金髪のお兄ちゃんですからね。
それが巨漢相手に気持ちだけでぶつかっていくというところが熱いわけで、テリーマンを徐々に好きになっていったんです。

ゆでたまご『キン肉マン』より引用

 

そんなキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースが選んだ己の未来は理想的なハッピーエンドでしたね。

今作ではクライマックスでついに原作の決め台詞「アベンジャーズ・アッセンブル」と叫び最終決戦に望むなど、世界のために最後まで闘いぬいた男が、最後は1人の人間として最愛の人と普通の生活を送る。

なんと素晴らしいハッピーエンドでしょうか。

踊る2人のラストショットは感慨深かったですね。
もう映画の時間軸のキャプテンはヨレヨレシワシワのおじいちゃんになっちゃったんで再登場出来ねーじゃねーかと不満に思いつつも、このマーベル・シネマティック・ユニバースの10年を思うと、ヒーローが1人の人間として平凡な普通の暮らしをして幸せな人生を送ったんだと感じさせてくれる感動的なショットでした。
あのラストダンスは、そんな特別じゃない、愛する人と過ごす普通の生活こそが最もかけがえのないものであり、そんな未来を全員で守ったんだということを象徴していたと思います。

個人的にはいつでも戻れるようにフェードアウトしてほしかったですが…

ソーの最期と出続けた腹とガーディアンズ

これはいつ引っ込むんだよとずっと待ってました。

クライマックス、ようやく雷神として雷とマントを纏い、シュッっと体型まで変化するんだろうと思っていたら

全然出てる

え、最後までこれ???

嘘でしょ???

かっこよくねーぞ

なんかあの出た腹で何かを表現しているのか???

世界の悲しみがあの腹に詰まっているということなのか

そんなに深い意味のある脂肪なのか???

…。

いや、だとしても、分かりたくもないぞ。

早く痩せろよ!!!

 

という僕の願いは虚しく最後まで出続けました。

本当に納得いかないですよ、腹だけじゃなくなんであんなにソーに笑いの役割を任せ続けたのか。

コーエン兄弟の『ビッグ・リボウスキ』(1998)の主人公デュードを思わせるサングラスダメ男を最後の最後まで貫き通し、サノスの首を獲った重い宿命ではなく、この映画の笑いを背負って終わってしまいました。

まあまあクライマックスのバトルは活躍してましたよ。
でもちょっとアホすぎません??
頭悪すぎじゃありません???

ただのアホみたいな扱いでしたよ。
悲しい出来事を背負いこみすぎて頭おかしくなっちゃった奴みたいでした。

これまではどの作品でも真っ直ぐが故のアホなところもあるけど、最後は雷神、王として爆発的な力を発揮する、とても頼りになる存在だったのに、最後の最後であのキャラ変ってどうしちまったんだよ…

あとすごく思ってたんですけど、前作『インフィニティ・ウォー』であれだけストームブレイカーで大暴れしストーン持っているサノスすらも倒しかけたのに、なんで今作ではストーン持ってないサノス相手にあんなに手こずったんですかね。
いくらでもチャンスあったと思うんですけど。
やっぱアホになって牙抜かれてしまったってことなのか。

クリス・ヘムズワースも降板説流れてましたけど、トニーとスティーブと違ってソーはガーディアンズと行動を共にするという続きが期待できるラストだったんで、もしかしたらこのままジェームズ・ガンの監督復帰が決まった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』3作目に登場する可能性も期待できます。(追記:クリス・ヘムズワースが正式に契約を更改したとの報道がありました。本当か怪しいですが)
だから2人と違ってそんなシリアスなキャラにしなかったのかなあ。

だったらまだ納得できるから許してやろう。

タイムワープしちゃったら終わり

全然何言ってるか説明が頭に入ってこなかったんですけど、量子化タイムワープは嫌いでした。

要は相対性理論的な時間の差みたいな架空の話だったんでしょうけど、やっぱりそれが出来てしまったら何でもありじゃんて思えちゃうんですよね。
もう起こったことは過去に行っても変えられないというバナーの説明がそのフォローだったんでしょうけど、じゃあ過去から見た未来ではどうなるの?とかもう疑問が尽きません。

こういう映画でそれを気にするなんて野暮な話ですけど、全然予想とか立ててなかったんで、あーやっぱりそっちにいっちゃうのねと、ちょっと覚めちゃいました。
だからといってサノスを倒したら不思議な力で、消滅した全員が花から蘇るという『キン肉マン』のラストみたいなことされたら、もっとみなさんドン引きしたでしょうからそもそも難しい展開でしたけどね。

でも過去に行って、これまでのヒーローに関係してきたキャラクターを総出演させようとするこの展開はうまくもありました。
まさに集大成といった感じで、バトルもないのでちょっと長く感じましたがこれまでの既視場面の裏側を見れたのは面白かったですね。
トニーとスティーブが協力しているのも良かったです。

それにしてもナタリー・ポートマン、レネ・ルッソ、ティルダ・スウィントン、ロバート・レッドフォードがまた出演してくれたのは嬉しかったですね。
ナタリー・ポートマンなんてもう出演拒否しているんだと思ってましたから。
レネ・ルッソも『リーサル・ウェポン4』(1998)以来『ソー』以外で僕は見ることがなくなっていたので、生存確認できて嬉しかったですね。
まあティルダ・スウィントンは最近も僕が観る映画によく出演しているので特になにもないんですが、ロバート・レッドフォードなんてこんな脇役中の脇役でよくまた出てくれたなあと驚きですよ。
もしかして過去に撮った映像で編集しているのかもしれないですけど、もう俳優引退宣言していたと思うのでまた見れてよかったです。
『アベンジャーズ』シリーズの影響力を感じずにはいられませんでしたね。

あと、あれだけ各作品で入手するのに苦労していた各インフィニティ・ストーンをあんな簡単に集めていく様はまるで漫画『ドラゴンボール』の最後の方みたいでしたね。
最初の頃はドラゴンボール集めがメインだったのに、最後の方はダイジェストで数ページで集められてしまう感じが。
集めれば願いが叶う感じも似てましたね。
そんな簡単なのかよって笑っちゃいました。

ヒーロー多すぎ問題とラストバトル(キャプテン・アメリカとムジョルニア)

このお祭り映画の根底を覆すようなことを今更言うのもバカみたいですが

ヒーロー多すぎません?

『インフィニティ・ウォー』もそうでしたが、今作もラストバトルのつまらなさよ。

正直どうでもいいヒーロー多いですよ。
もうそいつらもなるべく均等に活躍させなきゃいけないから、メインのアイアンマンたちの活躍が減るわ減るわ。

単独作がある人気ヒーローたちは活躍していいと思うんですけど、それに付随する脇役ヒーローたちいります?

今作でも存在してていいとは思うんですけど、戦わなくていいわーって思いました。

特にスカーレット・ウィッチね。
彼女のキャラクターとしての存在は大切ですけど、ちょっと強すぎなんですよ。
なんかうまくごまかしてますけど、正直キャプテン・マーベルの次に単独で強いんじゃないですか。
今回もサノスを単独で押してたし。

そうなると我らがBIG3が微妙に見えるんですよ。
彼らの価値は単純な戦闘能力だけじゃないってことでしょうけど、闘い大好きな子供っぽい僕としてはやっぱり彼らがトップ3じゃないとなんか嫌です。

あとはポッツね。
来なくていいわー。
家で娘守っててくれーですよ。
確実に旦那死ぬの分かってたでしょ、ポッツ。

あ、このままだと女性ヒーローばかり出してしまいそうだ…
まあでもしょうがないっす。
正直、男が戦うほうが見てて面白いんですもん。

あとそんなこと思った大きな理由が、この映画の1番嫌だったシーンのせいです。
ラストバトルでガントレットを持ったキャプテン・マーベルを女性ヒーローたちが「私達が援護するわ」みたいな感じで勢揃いしたあざといシーン。
世の中への気持ち悪いアピールでしたねー。
嫌いすぎて鳥肌たちました。
もうこんなあざといことすることこそが、女性差別に繋がってると思いません?
性差をより強く意識させてるだけじゃないですか。

こんなこと書くと怒られそうですけど、そもそも体の作りや脳が違うんだから、やれることや向いていることに差があるのは間違いないんだし、特に女性は子供を産めるという男性がしたくてもできないことが出来るわけで。
賃金格差とか大物プロデューサーのセクハラはアウトだとおもいますけど、必要以上になんでも性差別だと声高に騒ぐ世の中が嫌いです。
その騒ぐことが更に性差別を助長することにいい加減気づけ、アホが。

でもまあ、そうですよね、これだけ脇役ヒーローがいるから、ラストバトル前半のBIG3 VS サノスが際立ったんですよね。
予告編でも使われてますけど、アイアンマンたち3人の足元なめの遠くに見えるサノスの構図はかっこよかったですねー。
この映画の中で1番興奮しました。
ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』(1984)のラストバトルを思い出しましたよ。
ジャッキー、サモ・ハン、ユン・ピョウ VS 海賊のボス(ディック・ウェイ)のバトル。

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残念なのがその香港バトルに迫るような3人を絡ませた素晴らしい振り付けがなかったことですね。
もっと3人協力してサノスと渡り合ってほしかったですよ、ある程度まで。
アイアンマンは最後に大仕事があるせいか、わりとすぐやられちゃいましたしね。
僕個人としてはサノスはこのまま3対1のバトルでクライマックスまで突入して欲しかったですね。
ヒーロー軍VSサノス軍の戦場とは別の場所で。
最後なんだからそれくらい別扱いしてくれても良かったのに。

ドクター・ストレンジが余計な奴らまで全員引き連れて現れるまでの、キャプテン・アメリカの奮闘はかっこよかったですね。
『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』の伏線がここで回収されてました。
ソー以外誰も持ち上げることができない(ヴィジョンのような人工生命体は別として)ムジョルニアですが、超絶高潔な魂の持ち主であるキャプテン・アメリカだけは実は持ち上げられていたんです。
『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』の初めの方のムジョルニア持ち上げ対決でキャプテン・アメリカはちょっとだけ動かしちゃっていました。
ソーのプライドを傷つけないように持ち上がらない振りをしていましたが、ソーはちゃんと気づいていました。
そしてついにこのサノスとの最終対決で、ムジョルニアを駆使しサノスと単独で渡り合ってみせます。
雷まで操っていましたしね。
キャプテンの精神の高潔さこそ武器という熱いシーンでした。

過剰なネタバレ規制

それにしてもそんなにネタバレしてまずいことありました?

まあアイアンマン、キャプテン・アメリカの結末はしょうがないとして、『インフィニティ・ウォー』で消滅したヒーロー達が蘇ることなんて誰しも分かってません???
アイアンマンたちも事前に最後とか言われてたし、勘のいい人なら『インフィニティ・ウォー』のドクター・ストレンジの不可解な行動でアイアンマンの結末もとっくに予想してたでしょうし。

ヒーローたち消滅したまま終わるわけないし、スパイダーマン新作『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』の予告バンバン流れてるから、もうネタバレしてるようなもんですよね。

前作の『インフィニティ・ウォー』もラスト、そんなショッキングでした???
怒ったり、泣きわめいた観客がいたみたいなことよく書かれてますけど、ほんとにそんなバカいるんですかね。
映画見たことないやつなのかなあ。
そうやって一度やられるから次が面白いという黄金パターンを知らんのでしょうか。
何も分からない子供はしょうがないとして大人でそんな奴いたら軽蔑の目で見そうです。

むしろこのまま『エンドゲーム』でも消滅したヒーローたちが蘇らなかったらほんとにショッキングでしたよ。
その掟破りな展開だったら面白かったろうなー。
僕の中のマーベルの評価うなぎ登りでしたよ。
それなら暴動起きてもしょうがないですけどね。

真田広之…

真田広之が出ることは、yahooニュースが馬鹿みたいにデカデカと伝えていたので知っちゃってました。
そこはネタバレしていいんかいと。
アホなニュースメディアですよ。

それにしてもハリウッドが日本を撮るとなぜことごとくあの感じになるのか不思議です。
『ブレード・ランナー』の世界みたいなネオン街のかんじ。
ちょっと中国と混同してんのかなあという世界観。

そして真田広之、台詞下手過ぎません???
日本語なんで監督が指示してやったとは思えませんので、自分でやっちゃったんでしょうけど、いつの時代のだよっていう。
歌舞伎みたいな台詞回しでしたよ。
僕は笑って見てました。

だからこれはこれで面白かったです。
ハリウッドの勘違いした日本観が実はけっこう好きなので。
すぐ忍者とヤクザ出てくるところとか。
日本人に扮した中国人俳優の下手くそすぎる日本語とか。
ジェレミー・レナーのマジで聞き取れない日本語とか。
むしろきれいにリアルな日本が描かれてたらつまらないですよね、きっと。

エンドロール後…

終わった後のスタンディングオベーション。
よくニュースとかで『スター・ウォーズ』の新作の先行上映とか深夜の上映で終了後スタンディングオベーションしているコスプレしたアホたちを見ていました。
冒頭に書いた通り、監督もスタッフもキャストもいるわけじゃないんだから、としまえんでこれだけはしてくれるなよ、くそ寒いからと思っていたんです。
みんないつもどおりエンドロール後の映像に期待しまくってたんで、誰も席は立たず。
これほどの規模の作品ですからね、エンドロールも尋常じゃない長さです。
あ、ちゃんと僕は彼らの名前を見ながら「おつかれさまー」と思ってましたよ。

そしてエンドロール終了。
IMAXロゴとなんか制作か配給の会社のロゴ出たかな。
それで劇場明るくなっちゃいました。
おまけ予告映像何もなし!
ほんとにこれで一区切りということなんでしょう。

まあそれは全然いいとして、パンフレット欲しかったんで混む前にさっさと出ようとしたんです。
(あー誰も拍手するなよ、気持ち悪いからー)と思いながら。
そして立ち上がった瞬間

パチパチパチパチパチパチパチ

やりやがった…

数人の大学生くらいの集団が気持ち悪い、頭の悪そうな笑みを浮かべながら満足そうに拍手してましたよ。
「みなさんも一緒にやりましょう!この場をシェアしましょう!」
みたいな面浮かべてこっちを見てやがります。

それにまんまとつられて、けっこうな数の人がやりだす始末。

あー穴に飛び込んでしまいたい!!

というかあいつらを穴に突き落としてやりたい。

もう走ってシアター出ました。

あー気持ち悪かった。
なんでこんなにあーいう奴らが嫌いなのかわからないですけど、とにかく虫唾が走りましたね。
映画の感想的にもちょっと不満だったのに、更に嫌な気持ちになりました。

おわりに

もう既にアベンジャーズの終わりを受け入れ、卒業する子供を見守る母親のような観客なら拍手ものだったのでしょう。

たしかにあれだけ大風呂敷広げ、あれだけものすごい数のヒーローを総出演させ、なるべく均等にキャラクターを目立たせる展開をよく作ったと思います。
本当にこんな映画を作れてすごいと思いますよ。
キャスティング、スケジュール調整、脚本、ポスプロ考えた撮影、複雑すぎる編集など想像を絶する複雑さ、苦労だと思います。
世界的な凄まじい人気のシリーズですからね、制作者たちのそのプレッシャーたるや病んでしまうほどでしょう。

その中で評価できるのは自然な流れでこれまでのマーベル・シネマティック・ユニバースのヒーローたちに関係するキャラクターを再登場させたこと。
最後の最後でこいつらどっから来たんやって感じで、これまでのキャラクター達が駆けつけるみたいな寒い展開だったら笑っちゃうところでした。

あんなに多くのキャラクターが登場するんだから誰もが満足する終わり方なんてないと思います。
だから今作は特に賛否両論なんじゃないでしょうか。
僕の中でも賛否が今だに渦巻いております。
少なくとも僕は「アベンジャーズ、ありがとう!」なんて意味不明な感想にはなりませんでしたけどね。
そんな感想持ったら逆に映画に失礼な気がします。

まあ映画館を出た僕に今あるのは怒りのみ。

トニーを返せ!!!!!!